ガイダンス
1 金融の基礎知識
「確実なものは何もない」(ルービン)/ランダムウォーク/ラプラスの悪魔/不確実性の霧/市場は典型的な複雑系である/バタフライ効果/市場の最大の機能は価格を形成すること/見えざる手/市場に必要なのはメンテナンス/市場に代わりうるものは存在しない(政府が代わることはできない)/インフラの整備と多数の投資家の参加が必要/数字の意味をざっくりと把握しておく/日本のGDPが500兆円というように、基準をいくつか覚えておくとイメージしやすい/歴史は最良のテキスト/バフェット流「時間に関する大数の法則」で不確実性を薄める
2 金融市場
①金利(債券)、②株式、③為替の各市場/国債680兆円、銀行貸出420兆円、株式350兆円/金利は株式や為替ほど大きく動かない/金利にはいろいろな種類があるが、重要なのは、無担保コールレート(翌日物)と新発10年国債利回り―短期と長期/金利は市場による成長率の予想値である/金利≒名目成長率→金利≒期待実質成長率+期待インフレ率/
3 実体経済と金融市場
ラフな数字をつかんでおく/GDP500兆円/1億3000万人/400万円/人/アメリカ1400兆円、世界のGDPの1/4/日本の最大の貿易相手国は中国/EUの影響はアメリカ、中国には及ばない/GDP=民間消費+政府支出+住宅・設備投資+輸出―輸入/最も割合が高いのは民間消費で比較的安定して動く/投資や輸出入は比較的大きく動く/アメリカは消費主導(70%)、日本は設備投資と輸出主導/第三次産業(サービス業)は鉱工業をはるかにしのぐ規模だが、景気の動向を占ううえでは依然重要/専門家でないなら「景気動向指数」と「日銀短観」をみておく/アメリカなら「雇用統計」が重要/アメリカでは雇用調整が迅速に行われる/アメリカと日本はカップリング/中国は経済統計が整備されていない/雇用拡大→株価上昇/市場の予測機能―市場は予想によって動く/でも、市場はしばしば間違える/投資家の心理状態も反映/市場の自己実現力―噂が実現/風説の流布/積極的なディスクロージャ/87.10ブラック・マンデー/名目成長率=インフレ率+実質成長率/消費者物価指数(CPI)/中国でも、原料や燃料の値上がり、低賃金労働者の確保が難しくなってきた
4 新金融技術―デリバティブとその他の金融商品
5 リスク管理とポートフォリオ管理
市場を正確に予測することは誰にもできない/BIS規制、バーゼルⅡ/8%、4%、実際には10%以上/デレバレッジ/VaR…想定される最大の損失額/ランダムウォーク理論、正規分布/壮大な知的サギ?/ボラティリティー(標準偏差、バラツキ)/ファットテール/「すべての卵を1つのかごに入れてはならない」―ポートフォリオの基本/とはいってもリスク管理に完璧はない機械的なロスカット/プロスペクト理論によりマイナスの限界効用も逓減するから
6 相場変動のダイナミズム
キチン・サイクル(在庫投資、3-4年)…超過需要、労働投入、賃金増加、失業率減少、需要増加/意図した在庫、意図せざる在庫/SCMによる在庫の圧縮/ジュグラー・サイクル(設備投資、10年程度)…工場の新設のような大掛かりなもの/Y=F(K,L)でLは短期的、Kは長期的。在庫投資はL、設備投資はK/ほかにクズネッツ・サイクル(建設投資、20年程度)やコンドラチェフ・サイクル(イノベーション、60年?)があるが、現実的な景気変動要因としての説得力はやや弱い?/相場変動の自己増殖作用/人間は保守的でリスクを厭う/なぜ、バブルであることが分からないのか?―自己正当化作用/自動的なロスカット・ルールが売りを加速させる/相場下落はそれを加速させるメカニズムを内包している/逆に、それを待ち構えていた投資家も大勢いる/ミンスキー・サイクル(レバレッジの変遷によるサイクル)
7 バブルの発生とその崩壊
1920年代米国の「永遠の繁栄」/バブルの発生/欧州経済危機がドイツにナチス政権を発生させた最大の要因/WWⅡの戦争特需
エピローグ
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