はじめに
1 脳科学から見た記憶
タクシー運転手の記憶力/神経細胞はダメージに弱い―酒、薬、衝撃/鍛えた分だけ記憶力がつく
2 海馬
短期記憶と長期記憶―RAMとHDD/エピソード記憶と意味記憶―経験と知識/潜在記憶と顕在記憶/チャンク化/マジックナンバー7/意味記憶は知識だが、どんな知識でもはじめは何らかの状況の下で脳にたくわえられた。その状況が消えてしまい、知識だけが残り意味記憶となっていく。…エピソード記憶と意味記憶は、経験と時間によって、そのどちらにも変わりうる/手続き記憶―how toの記憶/プライミング(入れ知恵)記憶―「ほうれそんう」/これらを「スクワイアの記憶分類」と呼ぶ/記憶は歴史の階層―「エンゼルフィッシュは泳ぎますか?」「エンゼルフィッシュは呼吸しますか?」/記憶システム相関―①エピソード記憶、②短期記憶、③意味記憶、④プライミング記憶、⑤手続き記憶(①-②:顕在記憶、③-⑤:潜在記憶)/高等な動物ほど上の階層の記憶が発達/幼児期健忘/海馬はエピソード記憶と意味記憶に深く関係/海馬に記憶が留まっているのは長くて1ヶ月程度にすぎない/記憶は取り出すことのできる完全な形で側頭葉に貯蔵されていた―ペンフィールドの実験/海馬→側頭葉/θ波と場所ニューロン/興味・関心を持ってθ波を発生させよ/柔らかいものより硬いものを食べる、1人より社会と交わる、同性よりも異性
3 脳とコンピュータ
4 可塑性―脳が記憶できるわけ
古典的条件反応とオペラント条件反応―生理的な反射とお手/手順を分解し、段階ごとに分ける/脳はいい加減なヤツ―ファジー記憶/下等な動物ほど厳密な記憶の割合が多い傾向(ファジーが少ない)/違いの大きなものを区別できるようになってからでないと、小さいものを区別できるようにならない/記憶の3箇条―①何度も失敗を繰り返す、②きちんと手順を踏む、③まずは大きくとらえる/記憶することは神経細胞のつながり方が変化することである/1つの神経回路にはさまざまな情報が同時に雑居してたくわえられる。これが「連想」や「想像」を生み出す/コンピュータはアドレス方式/増殖・発芽とシナプス可塑性―「路線図」を書き換えることと「時刻表」を書き換えること/デカルト、『情念論』/事象を連合させると覚えやすくなる
5 LTP
6 科学的に記憶力を鍛える
年齢に見合った記憶の仕方がある/覚えたい対象に興味を持つ/脳は使えば使うほど、使えるようになる/脳はストレスを記憶できる―慣れる/記憶力が増強されれば、ストレスも解消される/関連付ければ覚えやすい―理解すれば脳はしっかり記憶する/声に出す―目の記憶より耳の記憶のほうが心に残る/具体的に想像せよ―「想像は知識よりも重要である」(アインシュタイン)/精緻化を心がければ、記憶がたやすくなり、有用なものとなる/「自分で納得のいかない限り人を納得させられない」(アーノルド、作家)/エピソード記憶は次第に意味記憶に置き換えられてしまう。エピソード記憶として保存するための努力を忘れてはならない/勉強はほどほどに?―記憶の干渉/ある程度の類似性があることを覚えると以前の記憶が妨げられてしまう/不用意に記憶を詰め込むと、かえって覚えが悪くなる/海馬の仕事は整理整頓―記憶のふるい/効率のよい復習とは、以前の記憶が海馬に保管されているうちに、情報をもう一度海馬に送信してやること。すると、海馬はこれを必要な情報と判断して、側頭葉に「これを記憶せよ」と送り返す/記憶は夢を見ることによって保存される/一般に、ものを習得するときは、まず大局を理解しておくことが大切/ひとつのことを記憶すれば、自然とほかの事の法則性を見出す能力も身につく。多くのことを記憶して使いこなされた脳ほど、さらに使える脳となる/手続き記憶が天才を作る/記憶にはべき乗法則がある/努力と成果は比例関係ではなく、累乗関数の関係にある
7 魔法の薬
8 脳科学の未来
知能のドーピングは公認されてもよい/獲得→固定→再生/「忘れる」とは記憶がなくなることではなく、再生できなくなること
おわりに
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