2009年8月16日日曜日

裸のランチ(1991) NAKED LUNCH

クローネンバーグのことだから、この麻薬小説の夢魔を、かなり納得のいく形でビジュアル化できた部分も無くはない。しかし、映画としては余りにとりとめな く、映像の幻覚剤と呼ぶには衝撃の少ないグロテスクなSFXの羅列に終わった感がある。

小説家志望の主人公(P・ウェラー)は、しがないセールスマン。寸 暇を惜しんでタイプライターに向かっているが、その分、本業がおろそかになっている。妻(J・デイヴィス)は麻薬に手をだし、廃人の一歩手前。そんな中、 かつては中毒者だった彼自身、自分の売る怪しげな殺虫剤を試して、恐ろしい幻覚と溢れる想像力を交互に得るようになる……。

「ニュー・エイジ」でも共演し た主演二人がいずれも熱演で、特にデイヴィスの不気味な怪演は忘れ難い。

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