2009年7月26日日曜日

保険の知識

(1 保険の仕組みと特徴)
1 経済的保障の提供
大数の法則/給付・反対給付均等の原則/収支相当の原則/表裏の関係/多数の加入者の存在が前提/保険の機能―経済的保障機能と金融機能/現金給付と現物給付

2 生保と損保―区別の趣旨
商法の分類/兼営禁止の趣旨は?/家計保険(生)と企業保険(損)/歴史的に区別されてきた―消費者保護の思想の萌芽/理論的な分類は?/保険の分類は保険会社にとって死活問題/損保には生保ではなく、定額保険が対置されるべき/あるいは、人保険⇔物・財保険

3 経済の安定・成長と保険の関係
保険はパブリックだ/政府は保険産業に政策的に介入する(監督と規制)/保険数学や保険法学等の専門性/税制上の優遇措置等によって保険の普及を促進/政府の保険は社会保険という/2005年以来不払い問題が発覚/金融機能は派生的だが重要/政府は保険資金の投資運用に介入する

(2 生命保険)
1 自助努力と生保の発達
保険と貯蓄は四角と三角

2 生保は基本モデルの組み合わせ
生存保険、死亡保険、生死混合(養老)保険/
定期保険、終身保険/
個人保険、団体生命保険(しばしば企業保険)/
無診査保険、有診査保険/
標準体保険、 標準下体保険、境界体保険/
自己の生命の、他人の生命の保険契約/
自己のためにする、他人のためにする生命保険契約/
家計保険、企業保険/
一時払い、分割 払い保険/
一時金保険、年金保険/
定額保険、変額保険(ハイリスク・ハイリターン)/
逓減保険、逓増保険/
有配当、無配当保険/

3 生保の普及と保険資金の増大
大量の既婚女性の存在―副業的に訪問販売方式/国民自助努力を強調する世論形成/都市化、核家族化/被雇用者の比率が上昇し、企業内福利厚生制度としての利用/株式会社が相互会社を圧倒/生保事業の長期性=保険料は長期的性格で運用/自然保険料を平準化して平準保険料に/若年時に多めに負担することで、保険資金が早く多く蓄積/計画的・長期的に投資運用できる/資金集めの手段に堕したような様相/生保会社は代表的機関投資家だ/投資はしても経営には介入しない―サイレント・パートナー/カントリー・リスク/90年代、多額の不良債権を抱える/…そしてバブル崩壊

4 信頼の回復へ
世帯加入率90%超という市場飽和状態/90年代後半、「生保離れ」/生保会社の経営破綻は保険加入者に深刻な影響/保険契約者保護の必要性/98年、生保契約者保護機構&損保契約者保護機構/契約を再移転/競争原理の導入/規制緩和による企業合併と企業集中の促進/ソルベンシー・マージンの導入

(3 損害保険)
1 富の蓄積と損保の発達
私有財産を守れ/損保ニーズの増大/自動車の普及/歴史的には企業保険の側面が強い/生保とは逆に大方が株式会社/リスク・マネジメントの有力な手段/生命・健康とは異なり、財貨は経済的・金銭的評価がしやすい/被保険利益―保険と賭博はどう違う?/損保が賭博の手段として利用されることは許されない/比例填補主義と実損填補主義/最も身近な火災保険の場合、保険金額が保険価額の80%未満なら、比例填補主義によって払われる

2 損保の基本モデルはシンプル
人保険、非人保険/物保険、人保険、財産保険
海上保険(マリン)、陸上保険(ノン・マリン)
短期保険、長期保険
全部保険、一部保険、超過保険
保険による利得の禁止

3 危険の多様化・巨大化―再保険
自動車の普及により自賠責保険/民間が扱うがノー・ロス=ノー・プロフィットという特異な保険/交通事故関連の損害保険のシェアは突出/危険の巨大化への対応―共同保険とその発展形の再保険/共同保険は危険を並列的に分散、再保険は危険を直列的に分散する/生保は長期保険、損保は短期保険の性格

4 損保業界の競争の激化

(4 共済と公的保険)
1 共済
相互扶助の精神/保険となんら遜色がないまでに成長/生保と損保の兼営が可能/JA共済

2 公的保険
公的保険と私的保険―営利と非営利/マクロ的な規模での所得再分配を実現/政策手段としての公的保険

3 社会保険
医療保険、年金保険、失業保険、労災保険+介護保険/ナショナル・ミニマム/危険ではなく負担能力に応じて徴収/水平的所得再分配と垂直的所得再分配/

(5 急激な環境変化と保険の対応)

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