2009年5月16日土曜日

MMの無関連命題

企業価値は資本構成と無関連である

企業U(unlevered firm)と企業L(levered firm)の資産内容が同じであると仮定すれば、将来のキャッシュフローは等しくなる。仮に、現時点でのマーケットの評価が
   企業U>企業L
だとしよう。2つの企業は、1年後に同じキャッシュフローを生み出し
   企業U=企業L
となる。現時点では、企業Uは割高、企業Lは割安になっている。賢明な投資家は、企業Uの株式を売って、企業Lの株式と社債を買う裁定取引(アービトラージ)を行う。この裁定取引は
   企業U=企業L
になるまで続く。現時点でのマーケットの評価が逆の場合も同じだ。

このように、投資家の裁定取引が機能することで、資産内容が同じ企業Uと企業Lの評価は等しくなる。資産内容が同じであれば、資本構成によらず、企業価値は等しくなる。

ただし、MMの無関連命題が成立する条件を現実的な方向に修正すると、資金調達の方法が企業価値に影響する可能性がある。

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