2009年6月24日水曜日

現代政治の諸問題

1◆圧力団体
議会や行政等へ圧力をかけて自己の特殊利益の政策実現をめざす
政党と異なり、国民に政治責任を負わない
資本主義の発達により、集団の噴出が起こるなか、自己の特殊利益を政治に反映させる圧力団体が登場→代議制の補完機能
ex.日本経団連、農協中央会、連合、日本医師会

アメリカでは、圧力団体は上院・下院に次ぐ第三院と呼ばれる。利益集団はロビイスト(議会工作人)を雇い、彼らが団体の代理人として圧力政治を展開する。日本では、族議員と呼ばれる特定分野に精通した議院がロビイスト的役割を演じている。

2◆世論とマスコミ
マス・メディアは、世論形成に重要な役割を果たすことから、立法、行政、司法に次ぐ第四の権力と呼ばれる

「マス・メディアの情報伝達方法により大衆はステレオタイプ的反応を示し、誘導される危険性がある」(リップマン、『世論』)

マス・メディア自体が営利企業であるから、コマーシャリズムセンセーショナリズムに陥りやすい

3◆政治的無関心(リースマン)
伝統的無関心…無知による
現代的無関心…無力感による

4◆行政国家化現象
委任立法の増加、行政府の自由裁量の拡大、許認可行政等の現象は、官僚支配を強化させ、官僚の特殊法人や関連企業への天下りや不正行為を引き起こした。行政に対する民主的コントロールの必要性が高まっている。

官僚制の弊害を指摘したのはマックス・ウェーバー

政界・財界・官界の鉄のトライアングルの癒着関係が行政腐敗の原因

官吏(公務員)の任用制は、近代まではコネで採用する情実主義を基本とする猟官制(スポイルズ・システム)であったが、現代は能力により登用する成績主義を基本とする官僚制(メリット・システム)に変化

公務員は、憲法上「全体の奉仕者」(憲15Ⅰ)であり、法令に従って勤務し、政治的中立が要求される(99年、国家公務員倫理法が制定され、5000円以上の接待や贈物を受けることを禁止

国家公務員の人事の公平を図り、政治的中立性を確保するために、独立行政委員会として人事院が設置された

5◆行政への民主的統制
現代行政の欠陥を是正するには、国家公務員法・地方公務員法、行政不服監査法や行政事件訴訟法等を活用して、不透明になりがちな行政指導や許認可についての法規制が必要である
→94 行政手続法施行

憲法上の行政監督機能の強化
各議院の国政調査権(憲62)
裁判所の違憲立法審査権(憲81)

1809年、スウェーデンにはじまるオンブズマン制度の導入
自治体オンブズマンは川崎市が初

知る権利の制度的保障としての情報公開制度の導入
情報公開法(99)の非公開事由
個人のプライバシー、企業秘密、外交・防衛情報、警察捜査・公安情報、行政内部情報、審議・検討情報

戦後アメリカから導入された独立行政委員会の活用による公正な行政
国家公安委員会…中立・公正な警察業務
中央労働委員会…労働争議の調停・仲裁等
公正取引委員会…独禁法を公正に運用
公安審査委員会…破壊活動防止法の運用を公正に審査


81-83年、第2臨調答申、その後、3次に及ぶ行革審の答申に基づく行政改革への努力

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