2009年9月12日土曜日

マーケティング脳 vs マネジメント脳 なぜ現場と経営層では話がかみ合わないのか?

人間の脳には左脳と右脳がある。両方の脳が等しく発達していることはめずらしく、ふつう、どちらかの脳が優勢だ。ビジネスの世界をみると、経営者には左脳で考えるタイプ(言語的、論理的、分析的にものごとをとらえる)が多く、マーケティングの人間には右脳で考えるタイプ(視覚的、直感的、総合的にものごとをとらえる)が多い。言い換えるなら、経営者は常識的に考え、型にはまった判断をしがちであり、マーケターは常識にしばられず、柔軟な考えかたをするということだ。実は今、両者の考えかたのちがいから、多くの企業では、左脳タイプのマネジメントの人間と、右脳タイプであるマーケティング人間との対立が、「戦争」といえるほど深刻化している。これは企業にとっても、本人たちにとっても、ひいては消費者や経済全体にとっても頭の痛い事態なのだ。本書は、これを踏まえて、マネジメントとマーケティングの発想のちがいについて25の観点から説明する。これは、経営陣と数々の闘いをこなしてきた経験豊かな著者、アル・ライズならではの試みである。おなじみの明快で歯切れのよい口調で、複数の企業やブランドで具体例を示し、説得力があり、楽しく読める。


はじめに 左脳と右脳

現実―認識
商品―ブランド
ブランド―カテゴリー
よい商品―ちがう商品
ラインを広げる―ラインを絞る
ブランドの拡大―ブランドの縮小
ファースト・ムーバー―ファースト・マインダー
ビッグバンを期待―スロースターターを予想
市場の中央―両極のどちらか
すべてを詰め込む―一語で表現する
抽象的な言葉―視覚的な表現
ブランドをひとつにする―ブランドの数を増やす
才気―実績
ダブルブランド―シングルブランド
永遠の成長―市場の成熟
新しいカテゴリーをつぶす―新しいカテゴリーを生み出す
情報を伝える―ポジションを獲得する
顧客を一生、手放さない―顧客を短期間で手放すことを、いとわない
割引券とセールが好き―大嫌い
ライバルのまねをする―ライバルの反対を狙う
名称の変更を嫌う―名称の変更をいとわない
絶えざるイノベーション―ひとつのイノベーション
マルチメディアを礼賛―マルチメディアに懐疑的
短期的―長期的
常識―感覚

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