2009年10月4日日曜日

迷走するモラトリアム論議 - 池田信夫

迷走するモラトリアム論議 - 池田信夫

亀井金融担当相が言い出した「モラトリアム」は、最初はマーケットでも「弱小政党の党首が何を言うか」と一笑に付していましたが、ここにきて具体的な法制 化の話し合いが始まり、笑い話ではすまなくなってきました。ただ亀井氏もトーンダウンし、政府が融資契約を一律に凍結する文字通りのモラトリアムではな く、連立3党が昨年末に参院に提出して廃案となった「貸し渋り・貸しはがし防止法」をベースに法案化を進める方向のようです。しかしこれも、かえって不況 を長期化させるおそれが強い。

木村剛氏も いうように、中小企業への貸し渋りが起きていることは事実ですが、その原因は亀井氏のいうように銀行が怠慢だからではありません。貸金業法の改正をはじめ とする金融規制の強化によって、中小企業向けの融資の主力だったノンバンクが崩壊したことが最大の原因です。これを放置したまま銀行に融資を強制したり、 借金を棒引きにさせたりしたら、銀行経営が破綻し、不況はかえって深刻化するでしょう。

中小企業金融というのは、基本的にハイリスク融資であり、かなりハイリターンでない限り、事業としては成り立たない。それを善意だけで低利融資でやろうと すると、新銀行東京のようにボロボロになってしまいます。商工ローンのようなノンバンクは、荒っぽい融資回収などの問題はあるにしても、今のように大手の 支払いが遅れやすい時期には、つなぎ資金を供給して黒字倒産を防ぐ安全弁の役割を果たしていたのです。

ところがノンバンクをサラ金と一緒ににつぶしたことによって、金利の期間構造(短期と長期の金利の相関)にゆがみが生じて、ローリスク・ローリターンの大 企業金融と超ハイリスクの闇金融しかなくなり、まんなかの年利15~30%のミドルリターンのビジネスが成り立たなくなってしまいました。このゆがみを是 正せずに安易な強権発動をしても、問題はかえって悪化するだけです。

「貸し渋り防止策」は、90年代後半にも金融庁が実施したことがありましたが、その結果、何が起きたでしょうか。銀行は金融庁の顔を立てて中小企業融資の 残高を維持するため、資金需要はなくても安全な中小企業に融資をシフトし、危ない中小企業からの資金回収は「貸し剥がし」として非難を浴びるため、公庫融 資などに押しつけて逃げた。その結果、大量のゾンビ企業と政府系金融機関の膨大な赤字が生じ、不良債権問題は長期化したのです。

金融副大臣の大塚耕平氏は日銀出身だから、こうした家父長的な金融政策が「失われた10年」の大きな原因だったことを知っているはずです。一度目の間違い はしょうがないが、同じ間違いをもう一度やるのはバカです。日本経済が「失われた30年」に入ることを防ぐためにも、90年代の教訓を生かし、ルールにも とづいた金融政策を堅持すべきです。


*強調は引用者

2009年9月26日土曜日

東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法

スロー・イン/ファースト・アウト/全体と部分を行ったり来たり/「神は細部に宿る」。全体だけではダメ/100個だとゲンナリ、5個ならできる/「すぐできそうなもの」に変換/脳に時間の猶予を与えて、知識や思考が定着・整理されるのを待つ/まったく関係ないことで気分転換(コースティング)/バランスのよい人よりもどこかとんがった人/自分自身のポジショニング/与えられた仕事はいきなり着手する。ためらってはいけません/どんな小さいことでも、適当にあしらったり、流したりしてはいけません/借りる力/もてなしの心を忘れない/仕事の本質は独力でやることではなく、目的を達成すること/情報は公開したほうがメリットが大きい/ジャズ的な職場/理屈だけではなく、直感にしたがって決める/プランド・ハップンスタンス(計画された偶然性)。予測は不可能である/人間は「理性2:感情8」くらいで考えておく/言語化すること、言語化しないこと(感情、感覚のようなデリケートな部分)/ロジックとパッションは両方大事。論理×情熱=共感/困ったときは、発想を逆に振ってみよう。全体⇔部分、長期⇔短期etc/離見の見by世阿弥

何かに情熱を持って取り組みつつ、そんな自分を冷静に見つめる。
目先のことに没頭しながら、同時に中長期的なことまで考える。
論理的・機能的に考えながらも、どこかで人間的・感情的な視点を忘れない。
慎重でいて大胆。情熱的でありながらどこかクールで、やさしくも厳しい。

2009年9月21日月曜日

記者クラブ

記者クラブきしゃ-)とは、首相官邸省庁地方自治体地方公共団体警察業界団体などの組織に設置された記者室を取材拠点にしている、特定の報道機関記者が構成する組織のこと。

記者室を設置している各団体から独占的に情報提供を受けることで知られる。記者室の空間及び運営費用は原則として各団体が負担・提供し、記者クラブが排他的に運営を行う。同種の組織は日本国外では一般的でないため、たとえば、英語ではkisha clubないしはkisha kurabuと表記する。日本における報道の閉鎖性の象徴として内外から批判されている。

2009年9月20日日曜日

シュルレアリスム宣言;溶ける魚

「シュルレアリスム宣言」こそは二十世紀の芸術・思想の出発点である.夢,想像力,狂気を擁護して,現実の奥深くに隠された〈超現実〉を暴きだし,真の 生,真の自由に至る革命の必要を高らかに謳いあげる.本書はその原書初版の構成に基づいて,自動記述による物語集「溶ける魚」を併収し,綿密な訳注を付し た新訳決定版.




2009年9月19日土曜日

思考の整理学


グライダー
不幸な逆説
朝飯前


醗酵
寝かせる
カクテル
エディターシップ
触媒
アナロジー
セレンディピティ


情報の"メタ"化
スクラップ
カード、ノート
つんどく法
手帖とノート
メタ・ノート


整理
忘却のさまざま
時の試練
すてる
とにかく書いてみる
テーマと題名
ホメテヤラネバ


しゃべる
談笑の間
垣根を越えて
三上・三中
知恵
ことわざの世界


第一次的現実
既知、未知
拡散と収斂
コンピューター

あとがき

デザインを科学する 人はなぜその色や形に惹かれるのか?

序章 デザインとは?
1 デザインの認知
2 認知とイメージ
3 イメージの根拠
4 色と形
5 デザインのパワー






2009年9月14日月曜日

「ワタシが主役」が消費を動かす―お客様の“成功”をイメージできますか?

消費者=生活者は今や単なる買い手ではなく、「ワタシが主役」とばかりに売り手側と同じステージに立つようになった。お客様の意思が消費マーケットそのものを動かし、製品や提供されるモノを川下から逆流させて変えさせるほどのパワーを持ってきたのである。

この変化を、女性マーケティング、とくに25歳~50歳の既婚者層に関して絶大な強みを持つ著者が、「女性のあした研究所」による調査(2007~2009年3月)を踏まえ、生活者に支持される企業になるにはどうすればよいかを様々な実践例とともにアドバイスする。

取 り上げる事例は、トヨタカローラ「女性視点マーケティング」、レシピ投稿サイト「クックパッド」、ANA羽田ラウンジの「INNOVATIVE VOICE」、ファッションイベント「東京ガールズコレクション」など、消費者の「心の動き」を察知し対応に成功している企業・プロジェクト。

ベストセラー『クチコミュニティ・マーケティング』から8年、これからの生活者マーケティングの潮流を読む。


はじめに
1 オフステージからオンステージへ
2 消費者は、加工者、創造者、発信者へ
3 お客様は役割が欲しい
4 自分ごと化でお客様が主役に
5 好き嫌いがベース
エピローグ